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第315号(2020年9月1日発行)

「紙の通帳」有料化に見る銀行の凋落 フィンテックに駆逐される日は近い?

 みずほ銀行が、来年1月から紙の通帳の発行手数料を新設する。1冊につき税込み1,100円という価格の多寡はともかく、「通帳の有料化」という従来にない施策は、大きく2つの意味を持つ。
1つは「紙とハンコ文化」からの脱却。同行は、紙の通帳の有料化と同時にWeb通帳サービスを開始。他行も同様の動きを見せており、三井住友銀行やりそな銀行は、Web通帳への切り替えで現金やポイントを進呈するキャンペーンを展開している。
もう1つは、経営に対する危機感が強まっているということ。顧客に忌避感を抱かせるような施策を打った背景には、通帳にかかる印紙税負担がある。1冊あたり年間200円かかるため、銀行業界全体での負担額は年間約640億円。Webに移行できれば相当なコスト削減になる。また、「通帳レス」からデジタル化への道筋をつけ、ATMや支店の統廃合につなげれば経営のスリム化も実現できよう。
とはいえ、コロナ禍により、現金を持ち歩いて現物を購入するという生活様式が変わりつつある今、顧客は「やってくる」ものではなく「呼び込む」ものへと変化した。しかし、「紙の通帳有料化」という施策からは、「金を融通してやっている」感覚が透けて見える。世界を動かしているプラットフォーマーに共通しているのは、顧客中心のスタンスとデータドリブンな取り組み。手数料という施策しか打てない銀行の姿勢はそれとは正反対。近い将来、顧客志向でサービス領域を拡大しつつあるフィンテック勢に取って代わられる可能性もゼロではない。

滞納整理の原告訴訟提起は115件 「滞納処分免脱罪」で9件を告発

 国税庁が公表した2019年度租税滞納状況によると、今年3月末時点の滞納残高は前年度に比べて6.9%減の7554億円と21年連続で減少した。同庁では、処理の進展が図られない滞納案件については、差押債権取立訴訟や詐害行為取消訴訟といった国が原告となる訴訟を提起したり、滞納処分免脱罪による告発を活用して、積極的に滞納整理に取り組んでいる。
原告訴訟に関しては、2019年度は115件の訴訟を提起。訴訟の内訳は、「供託金取立等」8件、「差押債権取立」7件、「その他(債権届出など)」97件のほか、特に悪質な事案で用いられる「名義変更・詐害行為」が3件。また、財産の隠ぺいなどにより滞納処分の執行を免れようとする悪質な滞納者に対しては、「滞納処分免脱罪」の告発を行うなど、特に厳正に対処。2019年度は、9件(17人員)を告発している。17人のうち11人(社)を起訴し、刑が確定したのは8人(社)で、執行猶予付き懲役刑が4人、罰金刑が4人となっている。
上記の「詐害行為取消訴訟」は、国が、滞納者と第三者との間における債権者(国)を害する法律行為の効力を否定して、滞納者から離脱した財産をその第三者から取り戻して滞納者に復帰させるために行うもの。また、「名義変更訴訟」は、国税債権者である国が、国税債務者である滞納者に代わって、滞納者に帰属しながら滞納者の名義となっていない財産の名義を滞納者名義とすることを求めて提起するものだ。

日本ビズアップ株式会社 発行「NEWSWAVE」より)

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