中堅・中小企業の拠点投資が活発化およそ5割が新設・拡張を計画

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第485号(2025年1月06日発行)

中堅・中小企業の拠点投資が活発化およそ5割が新設・拡張を計画

日本商工会議所が行った「地域経済を牽引する中堅・中小企業における投資動向調査」の結果によると、過去5年間で、およそ6割(56.7%)の中堅・中小企業が拠点新設等の投資を実施していることが分かった。また、今後5年間で拠点の新設や拡張・移転を計画している企業の割合は約5割(計画している:23.5%、検討中:23.6%)にのぼり、中堅・中小企業は高い投資意欲を有していることが推察される。

投資額について見ていくと、投資額が10億円を超える企業の割合は、過去5年間が24.6%だったのに対し、今後5年間では30.3%と増加する見通し。従業員数300人超の企業に限ると、今後5年間で10億円超の投資を行う企業が5割を超えており、会社の規模が大きくなるほど大型投資の割合が増加する傾向が顕著に表れている。

拠点投資を行った背景については、「需要増への対応」が56.6%、「既存拠点の老朽化への対応」が36.2%、「新たな産業分野等への進出・事業拡大」が35.1%だった。このうち、「新たな産業分野等への進出・事業拡大」の具体的な投資分野を見てみると、「自動車・船舶関連(自動運転、EV・PHV等)」が19.9%、「AIチップ・半導体関連」が19.1%、「医療・ヘルスケア・バイオ」が18.4%、「ロボット関連」が16.2%と、成長分野への投資が活発であることがわかる。また、インバウンドを含む観光需要の拡大に伴い、観光関連(12.5%)の投資も活発であるようだ。

暗号資産取引に対する課税分離課税の“対象入り”は暗礁に!?

暗号資産の譲渡による所得は、現行制度では原則として雑所得に該当し、他の金融商品が20%の申告分離課税の対象となる一方、暗号資産取引は申告分離課税の対象から除外されている。こうした課税方法について、暗号資産交換業者等の業界団体である日本暗号資産等取引業協会(JVCEA)や日本暗号資産ビジネス協会(JCBA)では、以前より「20%の申告分離課税の対象とすること」「損失については翌年以降3年間、暗号資産に係る所得金額から繰越控除ができること」などを要望してきた(暗号資産デリバティブ取引も含む)。

こうした業界団体による活発な動きを受けて、令和6年度税制改正では、発行者以外の第三者が継続保有する暗号資産について、一定の要件の下、期末時価評価課税の対象外とする見直しが行われたばかり。こうした流れもあり、いよいよ本丸である「申告分離課税の対象入りが実現するか」と話題になっていたが、石破総理は12月3日に行われた代表質問の中で「投資家保護規制が整備されている株式や投資信託のように暗号資産への投資を国が推奨することが妥当なのか、申告分離課税を適用することに国民の理解が得られるのか、などの課題があり、丁寧な検討が必要である」と答弁し、慎重な姿勢を示している。

令和7年度税制改正で申告分離課税の対象となる道はほぼ途絶えたと言える状況だが、引き続き動向を見守りたい。

日本ビズアップ株式会社 発行「NEWSWAVE」より)

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